2021-06-25
認知症の方に対する在宅での言語聴覚士の関わり
7月が近づいてまいりました。
東京オリンピックは開催の方向で進んでいるようですね。オリンピックは平和の祭典のようですが、この時期での開催は本来の目的とは矛盾しているような気がします。新型コロナウイルスの感染状態やワクチンの接種状況をみても、個人的には延期をした方が良いかと思う今日この頃です。
余談はこのくらいにして、「ST(言語聴覚士 以下ST)さんは、在宅で認知症の方にどういった事ができますか?」という問い合わせを頂きました。
おそらく・・認知症の方に言語障害や嚥下障害がなかったら、介入の必要性はないと考えられている方が多いと思います。
そこで、認知症の方に対しSTとしてどのような介入ができるのか簡単にまとめてみました。
認知症の方に対する在宅でのSTの関わり
在宅生活での認知症状の悪化を防ぐため、定期的な評価、コミュニケーションをとりやすい環境づくりの提案や助言を行い、必要に応じて脳活性化のリハビリを実施します。
➀認知症状に対しての評価
記憶力の低下、興味や意欲の低下、感情の起伏等、どのような症状が出ているか、記憶面や心理面、行動面から評価を行います。
➁ご家族へ症状の説明や関わり方の助言
評価をもとに、コミュニケーションの取り方(会話に集中できる環境調整や、言葉だけでなく色々な情報を用いたやり取り)や精神的ストレスの軽減を図る(誤った行動を否定しない)ための助言を行います。
➂脳活性化訓練の実施
回想法(古い記憶を引き出す)や学習療法(文章の音読や計算課題)等の脳を活性化させるリハビリを行います。
以上のように、認知症や高次脳機能障害(注意障害、記憶障害等)の面においてもSTは介入しています。在宅でより良い生活を送れるためのお手伝いをさせて頂きますので、お気軽にご相談ください。
言語聴覚士 S.T